[医療] 2025年12月25日
岐阜医療科学大学(岐阜県関市)などを運営する学校法人神野学園(名古屋市)は、12月21日に名古屋市のミッドランドホールで「高校生未来創造コンテスト2025」の決勝大会を開催した。全国から寄せられた112チームの応募の中から一次審査を通過した高校10校が出場し、最優秀賞に愛知県の愛知工業大学名電高校の『配達の達人』チームが輝いた。同チームは、ドローン配送の課題を解決する「ノック式荷物開閉保持装置」を提案し、実証実験や企業ヒアリングまで行った点が高く評価された。
近年注目されるドローン配送が抱える課題に着目し、「ノック式荷物開閉保持装置」を提案。ボールペンのノック機構を応用し、ドローンの着陸動作のみで荷物を自動的に置くことができる仕組みで、電力を使わず、軽量かつ低コストであることもこだわった。実際に汎用ドローンへ装着し、飛行実験やホバリングテストを行うとともに、企業へのヒアリングを重ねるなど、アイデアにとどまらない実証的な取り組みが評価につながった。
コンテストを企画した神野学園は、岐阜医療科学大学のほか、中日本自動車短期大学(坂祝町)、中日本航空専門学校(関市)を運営し、「医療」「自動車」「航空」分野の技術者育成に取り組んでいる。変化の激しい社会における課題解決に向けて、高校生自身が深い学びの能力を養うことをサポートしたいという思いから、「医療」「自動車」「航空」分野のキーワードとSDGs(持続可能な開発目標)を掛け合わせ、少子高齢化や地球温暖化などの社会課題について、どのようにすれば持続可能な社会を築いていけるか、未来の課題解決に挑むアイデア募集をテーマに実施した。
決勝大会では、1チーム2~5人で構成された高校生のチームが10分程度のプレゼンテーションを行い、審査員の前で考えたアイデアについて、その実現方法などを発表した。「見た目で悩む社会から、見た目で前向きになれる社会へ」をテーマに、男子高校生に皮膚科医監修の診断ロジックにより判定した肌タイプから、適切なスキンケア製品を紹介するサイトの提案や、一般車両に取り付けたセンサーで地下の水道管の劣化や損傷の状況を把握し、AIを活用して破損リスクを事前に見極めるサービスなど、社会課題に向き合う多様な視点からの提案が披露された。
審査は、アイデアの独自性『発想力』、根拠の明確性や情報の信ぴょう性『情報収集力』、プレゼンテーションの『表現力』などを基準に行われた。最優秀賞に選ばれた発表は、高校生ならではの柔軟な発想と探究心が、物流や地域課題の未来を切り開く可能性を示した内容として高く評価された。
優勝した愛知工業大学名電高校3年生の山本海翔さん(18)は「仲間と一緒に頑張ってきた成果が形になった。これからも世の中の役に立つアイデアを考えていきたい」と喜びを語った。
入賞チームは以下の通り。
最優秀賞:愛知県 愛知工業大学名電高等学校 配達の達人
理事長賞:北海道 札幌開成中等教育学校 チーム文系
特別賞:岐阜医療科学大学学長賞 東京都 佼成学園高等学校 もう大学生
特別賞:中日本自動車短期大学学長賞 東京都 開成高等学校/渋谷教育学園渋谷高等学校 まちまもり隊
特別賞:中日本航空専門学校校長賞 滋賀県 長浜農業高等学校 食品科 農産物利用分野

P①=最優秀賞に輝いた愛知工業大学名電高校の皆さん


P②P③=プレゼンテーション審査の様子
◆高校生未来創造コンテスト 2025(専用サイト:https://career-contest.jp/)
<決勝大会 出場チーム所属高校(所在地県)>
【この件に関するお問い合わせ先】
岐阜医療科学大学 高大連携センター 今井
〒509-0293 岐阜県可児市虹ヶ丘 4-3-3 Tel:0574-65-6555 Fax:0574-65-7801